ショートショット

ショートショット(Short Shot)は、樹脂が金型キャビティに最後まで充填されず、製品の一部が欠けた状態で成形される不良のことです。
見た目としては「製品の端が不足している」「肉が足りない」といった状態になります。

主な原因

ショートショットは「樹脂が行き渡らない」ことが本質原因です。大きく分けると以下の要因があります。

  1. 射出条件の不足

    • 射出圧力が不足 → 樹脂がキャビティ奥まで届かない

    • 射出速度が遅い → 樹脂が途中で冷えて固まる

  2. 金型要因

    • ゲート位置や大きさが不適切 → 流動性不足

    • ガス抜き不足 → 空気だまり(エアトラップ)ができて樹脂が入らない

  3. 樹脂要因

    • 流動性が低い(高粘度、温度不足)

    • リサイクル材や異物混入による流動悪化

  4. 成形機・設備要因

    • シリンダ温度が低い → 樹脂が十分に溶けていない

    • 射出容量不足 → 成形機の樹脂量が足りない

対策

  1. 成形条件の調整

    • 射出圧力・射出速度を上げる

    • シリンダ温度・金型温度を適正化する

  2. 金型改善

    • ゲート径を大きくする、位置を変更する

    • ランナー径の見直し

    • ガス抜き溝の追加

  3. 樹脂面での工夫

    • 乾燥を十分に行う(特に吸湿性樹脂)

    • グレード選定(流動性の高い材料を使う)

  4. 設備面

    • 成形機の射出容量が不足していないか確認する

    • ノズル詰まりがないか点検する

まとめ

ショートショットは 「樹脂が金型に充填しきれない」 不良で、

  • 射出条件

  • 金型設計

  • 樹脂の状態

  • 成形機の能力

のいずれかに問題がある場合に発生します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました