射出容量(Injection Capacity)とは、射出成形機が一度のショットで射出できる樹脂の最大量のことです。
単位は cm³(立方センチメートル) や g(グラム) で表されます。
定義のポイント
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シリンダ内に蓄えられる最大樹脂量(スクリュー前進ストロークに依存)。
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「樹脂体積(cm³)」で規定されるのが一般的。
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樹脂の比重によって「質量(g)」に換算して使われることも多い。
👉 例えば、射出容量が 150 cm³ の成形機なら、比重 1.05 の樹脂を使った場合の質量換算は
150 × 1.05 ≒ 158 g となります。
成形機選定での考え方
成形機を選ぶとき、製品重量と射出容量の関係が重要です。
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製品+ランナー重量 ≒ 射出容量の30〜80%程度
→ 適正範囲とされる。 -
射出容量に対して 小さすぎる(10〜20%以下)
→ シリンダ内で樹脂の滞留時間が長くなり、劣化しやすい。 -
射出容量に対して 大きすぎる(90%以上)
→ 常にフルストローク近くまでスクリューを前進させる必要があり、安定性が悪くなる。
射出容量と混同しやすい用語
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計量容量(Plasticizing Capacity)
一定時間あたりに可塑化できる樹脂量。射出容量とは別。 -
射出圧力 / 射出速度
射出容量は「量の限界」、射出圧力・速度は「充填時の条件」。
まとめ
射出容量は 「1ショットでどれだけの樹脂を射出できるか」 を表す性能指標で、
製品重量+ランナー重量の合計に対して 30〜80%の範囲に収まる成形機を選ぶのが基本です。
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