サーボモータ

サーボモータとは?

サーボモータは、位置・速度・回転角度・トルクなどを精密に制御できるモータのことです。
センサ(エンコーダ)を使ってフィードバック制御(クローズドループ制御)を行い、目標の動きに対して正確に追従します。

基本構造と仕組み

  1. コントローラー:目標の位置や速度を指令(例:型締め100mm)

  2. サーボモータ:指令に基づいて動作(モータ回転)

  3. エンコーダ:実際の回転量や位置を検出

  4. 制御部:目標値と実測値を比較し、ズレを補正(フィードバック)

👉 これにより、高精度で安定した動作が可能になります。

用途(特に射出成形機関連)

使用部位 内容
型締装置 開閉・ロック動作を高精度かつ高速に制御
射出装置 スクリュ前進(射出)・計量(スクリュ回転)の制御
エジェクタ 押し出し・引き戻しの制御
ロボット 成形品の取り出し装置(取出ロボット)に多用

サーボモータのメリット

特徴 説明
✅ 高精度制御 位置、角度、速度をミクロン単位で制御可能
✅ 応答性が良い 動き出しが速く、すぐに制御できる
✅ 省エネ 必要なときだけ動作、待機時は消費電力少
✅ 静音 油圧モータに比べて騒音が少ない
✅ クリーン 油を使わない(全電動成形機など)

他のモータとの違い

比較対象 サーボモータ ステッピングモータ 一般モータ(ACモータ)
制御方式 フィードバック制御(クローズドループ) オープンループ制御 基本は速度・回転数制御
精度 非常に高い 比較的高い(ただし脱調あり) 低い
コスト 高め 安価 安価
用途 高精度要求の設備 3Dプリンタ等 ファン、ポンプなど一般回転

射出成形機でのサーボモータの活用(例)

【全電動成形機】

  • 油圧を使わず、すべての軸をサーボモータで制御

  • 精密な制御、クリーンな環境、省エネに最適

【ハイブリッド成形機】

  • 型締などは油圧、射出・計量はサーボ(節電と性能両立)

注意点

  • 設定ミス過負荷でオーバートルク → 保護停止になることがある

  • 温度変化やノイズに対するエンコーダの信号精度維持が重要

  • メンテナンスは比較的少ないが、初期調整やチューニングが必要

まとめ

項目 内容
定義 位置・速度・角度などを高精度に制御するモータ
仕組み フィードバック制御で指令に正確に追従
メリット 精密・省エネ・静音・応答性◎
用途 射出成形機の各軸制御、ロボット、NC機械など
注意点 負荷過多や制御ミスで誤作動する場合あり

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