コンパウンド

コンパウンドとは?

コンパウンドとは、ベースとなる樹脂(ポリマー)に、各種添加剤やフィラー(補強材)を混ぜ合わせた材料のことです。
この混合・分散の工程を「コンパウンディング」と呼び、製品や成形条件に合わせて物性を調整した樹脂材料が得られます。

何を混ぜるの?

コンパウンドには以下のような成分が混合されます:

種類 目的
強化剤・充填剤 機械的強度・剛性アップ ガラス繊維(GF)、タルク、炭酸カルシウム
難燃剤 難燃性向上 ハロゲン系、リン系難燃剤
可塑剤 柔軟性の付与 DOP(フタル酸エステル類)など
着色剤 色付け 顔料、カーボンブラック
安定剤 酸化・紫外線・熱から保護 紫外線吸収剤、酸化防止剤
滑剤・離型剤 成形性向上 ステアリン酸カルシウム、シリコーンオイル

コンパウンドの目的とメリット

目的 内容
✅ 材料特性の向上 耐熱性、耐候性、強度、難燃性などをカスタマイズ可能
✅ 製品仕様への最適化 用途に応じた色、性能、加工性を持たせられる
✅ 成形性の改善 流動性や離型性を向上させ、成形不良を減らす
✅ コスト調整 高価な材料に安価な充填剤を加え、価格を抑える場合もある

コンパウンドの製造方法

通常、二軸押出機(ツインスクリューエクストルーダー)で以下のように行います:

  1. 基材(ベースポリマー)を供給

  2. 添加剤・フィラーなどを順次投入

  3. 押出・混練 → 均一に分散

  4. 冷却・ペレット化して完成(→成形現場へ)

コンパウンド樹脂の種類(例)

名称 特徴
GF入りナイロン(PA+GF30) 高剛性・高耐熱・機械部品向け
ABS+難燃剤 家電部品などに多用される
PP+タルク 自動車内装材などに多い
導電性PP 静電気対策用途(ICトレイなど)

注意点

  • コンパウンドによって吸水性や成形条件が変化することがあります(例:ナイロン+GF → 吸水率高)

  • フィラー含有率が多いと成形機への摩耗流動性低下に注意

  • 材料ロットや配合比の違いによるばらつき管理も必要

まとめ

項目 内容
意味 ベース樹脂に添加剤・フィラーを混ぜて機能性を付与した材料
メリット 性能向上・コスト調整・色付けなど多目的に利用
代表例 ガラス繊維入りナイロン、難燃ABS、タルク入りPPなど
成形時のポイント 吸水管理、流動性確認、成形条件の最適化が必要

コメント

タイトルとURLをコピーしました