「ゲートカット(Gate cut)」とは、成形品とランナー(流路)を接続していたゲート部を成形後に切り離す工程です。ゲートをきれいに処理することは、外観・寸法・品質の安定に直結する重要な作業です。
ゲートカットとは?
ゲートカットの方法
1. 手動ゲートカット(ニッパーなど)
特徴 |
内容 |
使用工具 |
ニッパー、カッター、ハサミ |
対象 |
単純形状、小ロット、生産初期など |
メリット |
安価・柔軟に対応可能 |
デメリット |
労力が必要・仕上がりが不均一になることがある |
2. 自動ゲートカット(金型内自動切断)
特徴 |
内容 |
対象 |
サブマリンゲート、ピンゲート、バルブゲートなど |
方法 |
金型構造でエジェクタやスライドにより自動切断 |
メリット |
一貫自動化・ゲート跡が安定・サイクル短縮 |
デメリット |
金型設計が複雑・初期コストが高い |
3. 機械加工によるカット(トリミング機など)
特徴 |
内容 |
使用機器 |
トリム機、ゲートカッター、自動回転刃など |
対象 |
中ロット以上、外観重視の部品 |
メリット |
均一・高速・作業者の技能に左右されにくい |
デメリット |
設備コスト、メンテナンスが必要 |
ゲートカット時の注意点
注意点 |
説明 |
白化・クラックの防止 |
無理に引っ張って切るとクラックが発生することがある |
バリ残り・突起の最小化 |
製品外観や組立に影響するため、仕上げ精度が重要 |
変形や引けの防止 |
未冷却でカットすると製品が変形しやすい |
ゲート位置の検討 |
カット作業性も考慮して金型段階で設計するのが理想 |
ゲートカット後の仕上げ方法
方法 |
内容 |
バフ研磨 |
小さなゲート跡のツヤ出しや均し |
ヒートカッター |
熱でゲートを滑らかに処理(熱可塑性樹脂に有効) |
面取り(R付け) |
機能部品の場合は角を落としてストレス集中を防止 |
ゲート跡をできるだけ目立たせない工夫
工夫 |
内容 |
ゲート位置を目立たない裏面に |
外観面ではなく裏側や不要部に配置 |
自動切断式ゲートの採用 |
ピンゲート・サブマリンゲートなどで切断跡を最小化 |
材料選定 |
白化しにくい樹脂(PPなど)を使うと跡が目立ちにくい |
ゲートカットのまとめ
項目 |
内容 |
目的 |
成形品とランナーを切り離し、製品化する |
方法 |
手動・自動・機械加工など用途に応じて選定 |
重要性 |
外観・品質・寸法精度に直結する重要工程 |
設計段階の工夫 |
ゲート位置・形状・カット方法を初期設計で検討しておくことがベス |
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