型開速度とは?
金型を開く時の速度のことです。
射出成形のサイクル中、「型開時間」に直接関わる要素です。
型開速度の段階制御
多くの射出成形機では、型開速度を複数段階に分けて設定します。
区間 |
動作内容 |
目的 |
① 型離れ初期(低速) |
ゆっくり開き始める |
型ズレ・ガイドピン保護 |
② 中間(高速開き) |
一気に高速で開く |
サイクル短縮 |
③ 終端(減速停止) |
最後はゆっくり停止 |
ショック防止、振動防止 |
型開速度の目安(参考)
成形機サイズ |
高速開き速度 |
小型機(〜100t) |
200〜400 mm/s |
中型機(〜350t) |
300〜500 mm/s |
大型機(500t〜) |
400〜600 mm/s |
※安全のため、型開き始め・終端は 10〜50 mm/s程度の低速にすることが多いです。
型開速度が影響するポイント
項目 |
内容 |
サイクルタイム |
速いほど短縮できる |
型寿命 |
速すぎると型摩耗や破損の原因になる |
機械振動 |
ショック吸収や減速が大切 |
安全性 |
挟み込みや型ズレ防止が必要 |
型開速度調整のコツ
状況 |
調整のヒント |
初めての金型 |
低速設定で様子を見る |
安定生産時 |
高速開き速度を徐々に上げる |
高精度成形 |
終端は慎重に低速設定 |
大型金型 |
急加減速は避ける(振動大きくなるため) |
型開速度に関連するトラブル例
トラブル |
原因 |
対策 |
型ショック音 |
高速開きが速すぎ |
減速位置を早める |
型ズレ・摩耗 |
初速が速すぎ |
開始速度を下げる |
振動発生 |
終端減速不足 |
終端減速の設定を強める |
まとめ
項目 |
内容 |
名称 |
型開速度(Mold Opening Speed) |
役割 |
型開時間短縮、安全動作確保 |
重要ポイント |
安全・型寿命・機械負荷をバランスよく |
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