型締方式とは?
射出成形で、金型を閉じて、射出圧力に耐えられるように固定する仕組みのこと。
樹脂を射出するとかなりの内圧が金型内にかかるため、金型をしっかり閉じておかないと「バリ(フラッシュ)」や「型開き不良」が発生してしまいます。
主な型締方式の種類
射出成形機では、大きく以下の型締方式があります。
型締方式 | 特徴 | 主な用途 |
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トグル式 | 機械的なリンク機構で型締力を発生 | 汎用射出成形、小中型成形機 |
直圧式(油圧直圧式) | 油圧シリンダーの圧力で直接型締め | 精密成形、大型機、異形成形 |
電動直圧式 | サーボモーターで直接型締め | 高精度・高速成形、クリーンルーム対応 |
ハイブリッド式 | トグルと直圧を組み合わせ | 高精度と省エネの両立 |
各方式のイメージと特徴
① トグル式(Toggle Type)
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リンク機構(クランクアーム)を利用
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少ない油圧でも大きな型締力が出せる
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可動速度が速く、消費エネルギーが少ない
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型締終盤で急激に力が高まる(ロック効果)
👉 昔ながらの射出成形機に多い。最近は電動トグルも普及。
② 直圧式(Direct Hydraulic Type)
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油圧シリンダーでまっすぐ型を締め付ける
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常に安定した型締力が得られる
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型開閉動作はトグルに比べやや遅い
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金型の厚みが変わっても調整が容易
👉 自動車部品・大型製品などに多用
③ 電動直圧式(All-Electric Direct Clamp)
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サーボモーター駆動で静か・清潔・省エネ
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精密で再現性が高い型締力制御が可能
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医療部品・光学部品・薄肉高速成形に有利
👉 最近はこのタイプが急増中です。
④ ハイブリッド式
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トグル+直圧のいいとこ取り
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精度・省エネ・高速性をバランス良く兼ね備える
👉 高性能機種で採用されることが多い
型締力とは?
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金型を締め付ける力(単位:kNまたはton)
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樹脂の射出圧力に打ち勝つために必要
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例)100トン機、350トン機、650トン機 など
型締方式の選び方のポイント
条件 | おすすめ型締方式 |
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精密成形・薄肉・高速 | 電動直圧式 |
大型成形・厚肉 | 油圧直圧式 |
一般成形 | トグル式 or 電動トグル式 |
省エネ・高精度・省メンテ | ハイブリッド式 |
まとめ
項目 | 内容 |
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名称 | 型締方式(Clamping System) |
目的 | 射出時に金型をしっかり閉じる |
代表方式 | トグル式、直圧式、電動式、ハイブリッド式 |
重要性 | 成形品質・安定性・生産性に大きく影響 |
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