射出成形機のノズルと金型のスプルーブッシュの間を延長するための部品です。通常のノズルでは届かない場合に使用します。
延長ノズルとは?
射出成形機のノズルと金型のスプルーブッシュの間に取り付ける 中継パーツ
→ 射出樹脂の通路を「物理的に延長」する役割を持ちます。
使う目的・必要な理由
使用目的 | 説明 |
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金型と射出機の距離が離れている場合 | 金型の厚さや構造の都合でノズルが届かないときに延長ノズルで補う |
特殊な成形レイアウトがある場合 | 多段金型、ホットランナー付き金型などで、ノズル位置に制約があるとき |
ノズル加熱の安定化 | 延長ノズル内にもヒーターを内蔵して、樹脂温度の安定化を図ることがある |
構造と仕様
項目 | 内容 |
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材質 | SKD61などの耐熱・耐摩耗鋼が多い |
加熱 | 必要に応じてヒーター付きタイプも存在(ロングノズルヒーター) |
長さ | 50mm ~ 数百mmまで用途に応じて選択可能 |
接続 | 射出機の標準ノズルとスプルーブッシュ間にボルト or ネジで接続する |
先端形状 | 一般的には半球型(R形状)やテーパ形状があり、スプルーと密着させやすい |
使用時の注意点
注意点 | 説明 |
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ヒートロス | 延長部分が長いと樹脂が冷えやすい → ヒーター付きノズルで対応することも |
圧力損失 | 樹脂の通路が長くなると射出圧力が必要になるため、成形条件の再調整が必要 |
清掃のしにくさ | ノズル内が細長いため、樹脂残りや詰まりが起こらないよう定期清掃が必要 |
アライメント(芯ずれ) | 金型とノズルの芯が合っていないと樹脂漏れやバリの原因になる |
使用例(具体的な場面)
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ロボット搬送スペース確保のため、金型が成形機から遠ざかっている
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金型に断熱プレートを挟んでいる(厚みが増す)
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ホットランナー金型でノズルの挿入位置が特殊
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複数の成形機で金型を共用するため、延長ノズルで位置調整
まとめ
項目 | 内容 |
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名称 | 延長ノズル(extended nozzle) |
目的 | 射出ノズルと金型の距離を延ばす |
利点 | 金型設計の自由度向上、異なる金型に柔軟対応が可能 |
注意点 | ヒートロス、射出圧力、メンテナンス性に注意が必要 |
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